悪意のある「うそ」とエイプリル・フール

エイプリル・フールというのは、日本でもうはやらなくなったのだろうか。ひと昔、いやふた昔ほど前までは、職場で、家庭で、居酒屋で、みなたわいないウソを楽しんでいたように思う。
欧米の新聞など、4月1日の朝刊1面は大っぴらにウソを書いてユーモアのセンスを競う。いつぞや、「ロシア科学アカデミーがマンモスのDNAを復元して5頭の赤ちゃんマンモスを作った。世界の動物園に入札を呼びかける」という米地方紙の“特ダネ記事”はできがよかった。
この記事を見て、ロンドン動物園に応札するかどうか取材したイギリス大手紙の記者がいた、というオチの記事が翌日のロシア紙に載ったのは笑った。
悪意のないうそをアメリカ人は white lie(白いウソ)と言って許容する。夫婦も恋人も white lie のみでつながっている、という説もある。
日本には「真っ赤なウソ」という言葉があるが、red lie と言っても欧米人には通じない。人間関係に「白」はいいけど「赤」はよくない、ということか。
そんな話をアメリカ人としていると、「ぼくは白より赤のほうがいいね」と切り返された。ワインの話とわかるまで時間がかかった。ユーモアのセンス、磨かなきゃ。4月1日が近づくたびに思いを深める。
(出典:関学広報ブログ・白いウソ/2012.3.8)
面白い記事である。ユーモアがわかるエイプリルフールであってほしいと思う。
最近、白いウソではなく、悪意のある黒いウソが多いのではないだろうか。悪評高いマニフェスト「普天間基地問題の最低でも県外」「消費税増税」「八ッ場ダム建設中止」「事業仕分けによる財源確保」「子ども手当」などなど本当に悲しい話である。
今年は、黒いウソではなく、ユーモアのあるエイプリルフールを楽しみにしたいと思う。
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