「市民による市議会白書」が初めて発行される!

地方議会の活動を住民の視点でチェックしようと、川崎市の住民団体「川崎市議会を語る会」が、市議会の現状や問題点などをまとめた「市民による川崎市議会白書2010年度版」を発行された。
会の世話人である吉井俊夫氏は、市民による議会広報など市民活動の先輩であり、またよき友人であるが、いつも様々な事を教えて頂いており、感謝している。
同会では、「議会の広報紙は通り一遍で住民に分かりにくい。市民の目線で議会を評価することが必要」として、議会白書を初めて刊行。今後も毎年1回発行する方針だそうだ。
この「市民による川崎市議会白書」はA4判150ページもので、2009年度の議事録を全て読み込み、全議員63人の質問、陳情・請願への対応、議案への議決を、市総合計画の構成に則して「基本計画」「生活環境」「社会基盤」などに7分類されている。
これらのデータを基に、市議会が議会基本条例に掲げた「市民に開かれた議会」「議会活動の公平性・透明性の確保」「市長との緊張関係」などに対応しているかどうかを精査している。
その結果、「質問の多くは状況把握と要望に終始」「市長提出の議案は全て原案可決」「予算・決算の何をどこまで審査したのかが不明」といった課題を浮き彫りにした。
議会運営の在り方では、住民の視点で「市民に説明し、意見を聴き、考えを引き出すことが議会の仕事」と提言。議会基本条例の運用にも「傍聴者への資料提供が不十分」などと注文を付けた。
この全国的にも珍しい市民による議会白書は、有権者に対し議員選択(選挙選択)のツールになるかもしれない。
地方議会の様々な出来事を市民に理解していただくことは、今極めて大切な説明責任であると思っている。
方法論は様々あるが、議会側も意識して情報公開していく市民に開かれた議会にしていく必要がある。
語る会の吉井俊夫代表が、「本来なら議会自身が年次活動報告をまとめて住民に示すべきだが、できないのなら住民がやるしかない」と言われていることに、奮起する議会でなければならない。
私もこの白書を参考に、いろいろと考えてみたいと思う。
(参考・転載:神奈川新聞社・2010.12.9)
スポンサーサイト